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『別式』女性剣士の可愛く儚い、凄腕ガールズ時代劇

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江戸、幕末を舞台にした作品は数多くあれど、その多くは男性を中心にした物語です。

昔の日本は現代よりも男尊女卑の風潮が強いこともあり、女性の地位が低いことも話として作りづらい要因なのかもしれません。

そんな中で今回紹介する『別式』は江戸を舞台に活躍する女性剣士たちを描いた、今までにない作品なのではないでしょうか。

作者はTAGRO先生。「月刊モーニング・ツー」にて連載中。(既刊3巻。2018年4月時点)

可愛く描かれる、女性剣士たちの「生」と「性」

「別式」というのは、江戸時代に実際に存在した、武芸で身を立てている女性剣士たちのこと。

本作は、その個性豊かな別式たちの友情、婚活、おまけに合コン、コミケなどの「生」と「性」を描いた作品です。

イケメンにしか興味がなく、思ったことがすぐに顔に出るむっつり凄腕剣士、類(るい)

※【コマ引用】「別式」(TAGRO/講談社)1巻より

類をライバル視し、遊び人の九十九に一途な恋をする、クールで純情な、魁(かい)

※【コマ引用】「別式」(TAGRO/講談社)1巻より

類の飲み友達で、世間を飄々と渡り歩く渡世人の男の娘、切鵺(りや)

※【コマ引用】「別式」(TAGRO/講談社)1巻より

圧倒的な母性で人々を優しく包み込む、二刀流の使い手、刀萌(ともえ)

※【コマ引用】「別式」(TAGRO/講談社)2巻より

彼女たちの強く、可愛く、面白く、そして悲しく、儚い物語が描かれています。

現代風の文化が混じった江戸が舞台

本作の舞台は江戸時代ですが、ちょこちょこ現代風の文化が入り混じっているのが特徴です。

例えば、合コン。類と魁はキャンセルが出てしまった合コンの穴埋めとして呼ばれ参加することに。

※【コマ引用】「別式」(TAGRO/講談社)1巻より

遊び場は江戸時代らしく、遊郭のような場所で的当てをして楽しむ、というようなもの。

例えば、コミケ。むっつりスケベの類は、夜を共にする春画本を探しに、有明の地で開催される「草双紙市」という同人誌即売会に向かいます。

※【コマ引用】「別式」(TAGRO/講談社)1巻より

海の上で開催され、船に乗って本を探すその様は、場所こそ違えどまさにコミケそのもの。

江戸時代の古い文化が舞台の作品でも、「変ゼミ」から続くTAGRO先生の趣味や考えが十二分に発揮される作品ですね。

それぞれが背負う、悲しく儚い宿命

本作は、ただ可愛い女の子たちがワイワイ騒いで楽しむだけの作品ではありません。

江戸や幕末を舞台にした作品ならではの悲哀を感じさせる儚い物語でもあります。

本作は、類と切鵺が対峙するところから始まります。片目を眼帯で隠し、二刀流で切鵺に立ち向かう類。かつての仲間はもういない、と話しています。

※【コマ引用】「別式」(TAGRO/講談社)1巻より

おそらく物語の終わりを最初に描いて伏線を回収していくスタイルなので、今後の展開が気になるところですね。

そして本作を語るうえで欠かせない人物、岩淵源内。通称「狐目の男」。切鵺は彼を追って手掛かりとなる情報を集めています。

彼の存在はいまだ謎に包まれておりますが、先ほど記述した、類と切鵺の対峙にも関わる、重要な人物であることは間違いないでしょう。

おわりに

いかがだったでしょうか。

まだまだ謎が多い作品ではありますが、序盤は女剣士たちの愉快な話が多いので、テンポよく、楽しく読める作品だと思います。

「変ゼミ」の雰囲気を感じさせつつ、TAGRO先生の新境地が見られるので、今後の展開が楽しみですね。

下記より試し読みができますので、興味のある方は是非。

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