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『だんだらごはん』幕末グルメが彩る、新選組の日常

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先日、京都に旅行に行って参りました。

京都といえば有名なものが数あれど、「新選組」が活躍した舞台としても有名なのではないでしょうか。

新選組がテーマの漫画はこれまでにも数多く存在し、どの世代の腐女子をも魅了してきたように思います。

今回紹介する「だんだらごはん」も、新選組をベースにした作品ですが、他と違うのは「ごはん」を話の中心に置いていること

食を通じて、彼らの日常、青春が彩りよく描かれています。

作者は殿ヶ谷美由紀先生。「Pixivコミック」にて連載中。(既刊3巻。2018年3月時点)

食を通して描く新選組

本作の主人公は、沖田宗次郎(後の沖田総司)と山口一(後の斎藤一)。彼らが新選組になる前から物語が始まります。

彼らは食の好みや性格は真反対ですが、同い年ということもあり、なんとなくつるむ仲。天ぷらを食べている一を発見して一緒に食べたり、お金のない沖田に大福をおごったりと、なんとなく仲は良い様子。

※【コマ引用】「だんだらごはん」(殿ヶ谷美由紀/講談社)1巻より

ある日、試衛館の道場の若先生、近藤勇は名門の子に武道を教える、”講武所の教授方”の内定をもらうものの、身分が低いことを理由に切り捨てられてしまいます。

ひどく落ち込んで引きこもってしまった近藤を慰めるために、二人は”たまごふわふわ”、のちに近藤の好物として知られるようになる一品を作ろう、と計画を立てます。

馬が合わず、料理をするのも初めてな二人。料理本を見ながら作ってもなかなかうまくいきません。苦労しながらもなんとか形にしたたまごふわふわは、とても美味しく、近藤にも喜んでもらえる、思い出の一品となりました。

※【コマ引用】「だんだらごはん」(殿ヶ谷美由紀/講談社)1巻より

本作は新選組として活躍する前の、ごろつきのような彼らを、「ごはん」を通じてつながる日常の話に重きを置いており、悲哀が多い他の作品と比べても、比較的ライトに楽しみやすい作品なのではないでしょうか。

幕末グルメを堪能しよう

本作は、新選組が活躍する、幕末の時代を舞台にしたグルメ漫画。そのため、江戸、幕末のころに食べられていたごはんやお菓子が多数登場します。

例えば、京都に向かう一行が、旅の途中で出会った、柚餅子(ゆべし)

※【コマ引用】「だんだらごはん」(殿ヶ谷美由紀/講談社)2巻より

ゆずの中に、米粉、味噌、砂糖などを練ったものを詰めて蒸したものです。お茶請けなどにぴったりのあまじょっぱさで、戦に出向く武士の携帯食としても食べられていた様子。

例えば、かつて水戸黄門が度々食べていたと言われている、かけ。のちのラーメンに通じる料理も登場します。

※【コマ引用】「だんだらごはん」(殿ヶ谷美由紀/講談社)2巻より

小麦粉に蓮の根を練りこみ、ニラやらっきょ、ニンニクなどの薬味を入れて調理していきます。

このように、現代に通じるものの、まず目にすることのない、珍しい料理や、伝統的に受け継がれてきた日本の料理が多数登場するのも、本作のみどころのひとつでしょう。

貧乏ながらも、食で彩られる青春

新選組として活動する前の彼らは、基本的にゴロツキの集まりなので、仕事もなければ金もない、非常に貧乏な生活を送っておりました。

ある日、浪士組として上洛する前に、沖田の元服(今でいうところの成人式)を祝うため、酒を飲んで騒いでいた一行。

食べるものが何もなく、街にいる総菜売りも行ってしまった状態で、頼みの綱となったのは、出かけていた近藤が手土産にもらってきた、ニラ。これを雑炊にして食べることにしました。

※【コマ引用】「だんだらごはん」(殿ヶ谷美由紀/講談社)1巻より

カサ増しして味の薄くなった雑炊でも、仲間と一緒に食べればおいしく感じられます。

それぞれの個性や性格はバラバラでも、近藤を中心になんとなーくまとまって見える一行。若かりし頃の彼らの「青春」的な一面が垣間見えるお話なのでした。

おわりに

いかがだったでしょうか。

なかなか普段語られることのない、新選組の「日常」を切り取った、他にはない優しい雰囲気に包まれた作品です。

最新話はPixivコミック内で配信され、無料で読むことができるので、この機会に是非とも読んでみてはいかがでしょうか。

 

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