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『クミカのミカク』異星人×グルメ!?地球の「美味しい」を堪能しよう

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『孤独のグルメ』を筆頭に、一躍人気ジャンルとなったグルメ漫画。

料理する、美少女が食べる、異世界に行く、など多様化、細分化が進み、一筋縄では語れないほど急成長を遂げましたね。

そんな中でも、今回紹介する『クミカのミカク』は異色の作品ではありますが、「食べる喜び」を再発見できる内容となっております。

作者は小野中彰大先生。「月刊COMICリュウ」にて絶賛連載中。(既刊5巻。2018年3月時点)

宇宙人が移民する未来の世界

物語の舞台は、異星人が地球に移民するようになった未来の世界。差別をなくすために「外国人」と同じニュアンスの「外星人」という言葉が使われています。

物語の主人公は、地球のデザイン会社に勤める、外星人のクミカ。彼女が住んでいた星では食事を摂る習慣がなく、すべての栄養を大気中の水分、微生物などで摂取することができるという珍しい存在。

※【コマ引用】「クミカのミカク」(小野中彰大/徳間書店)1巻より

そんな彼女ですが、ひょんなことから風邪をひいてしまい、マスクを着用したことによって栄養を取り入れることができなかったため、予期せぬ空腹状態に。

そこで、風邪を心配して家にやってきた同僚の地球人、チヒロは彼女になべ焼きうどんを振舞います。

※【コマ引用】「クミカのミカク」(小野中彰大/徳間書店)1巻より

初めての食事に戸惑うクミカ。恐る恐る口に入れると、そこには体験したことのない味覚の世界が。

初めての「美味しい」という感情を体験したクミカは、食べることに夢中になり、様々な食事を楽しんでいくのでした。

食べるリアクションの新たな境地

グルメを題材にした漫画の一番の見どころといえば、やはり「食べるときのリアクション」でしょう。外星人であるクミカは、そのリアクションも普通の人間とは違う、特殊な魅せ方をするのです。

クミカのビジュアルとして特徴的なのは、側頭部に生えた触手。これが自在に動き、彼女の感情をビジュアル的に表現します。

美味しいものを食べると激しく動きながら光り輝いたり、不味いものを食べると模様が濁って震えだしたり。辛い物を食べると火を噴きだしたりと、何でもありな触手。

※【コマ引用】「クミカのミカク」(小野中彰大/徳間書店)1巻より

このように、食べたものの味、クミカの感じ方によって、様々な表情を見せてくれるのは、特殊な世界観を持ったこの作品だけの強みだと思います。

初めてだからわかる、食べることの大事さ

前述した「食べるリアクション」はこの作品の重要なポイントではありますが、なによりこの作品が教えてくれるのは、「食べることの楽しさ」と「新しいものに触れる喜び」です。

クミカは、地球に来るまでご飯を食べたことがなく、料理の名前はおろか、自分が感じている味もわからないほど、食に関する知識、経験値が全くないキャラクター。

そんな彼女が初めて知る、「美味しい」、「甘い」、「辛い」、「苦い」、「しょっぱい」、「すっぱい」などの感覚、体験は、どれも興味深く、夢中にさせてくれる素敵なもの。

人間である自分たちが普段から慣れ親しみすぎてわからなくなっている「食べることの楽しさ」と「新しいものに触れる喜び」を気づかせてくれるのではないでしょうか。

※【コマ引用】「クミカのミカク」(小野中彰大/徳間書店)1巻より

物語に登場する料理こそ普通ではありますが、料理に対する観点やキャラクター、表現技法を工夫することで、他とは差別化され、より深くグルメ漫画の道を切り開いている、非常に意欲的な作品でしょう。

おわりに

いかがだったでしょうか。

忘れかけていた日常の中の美味しさ、楽しさをクミカが教えてくれる、素敵な作品になっております。

このマンガを読むことで、普段食べているご飯にも新たな発見があるかもしれません。

興味のある方は是非。

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